ちょっと今から仕事行ってきます

医師をしています。仕事、趣味など書いていきます

いろいろな経験を積むということ

こんばんは。

週末なのでゆったりとしていたらいつの間にかこんな時間でした。

今日仕事していて実感したことをのらりくらり書いてみます。

 

病院とひとくちに言っても、病院ごとに機能は様々。

どの科があってどの科がないかもそうだし、

外来だけなのか入院もみているのか、

力を入れているのかそうでもないのか。

スタッフの力関係…etc

 

私がはじめに行った病院は、2次救急の病院でした。

「コードブルー」や「救命病棟24時」に出てくるようなカッコイイ現場ではなく、

内科系は当直一人で救急外来も病棟も対応するようなところ。

救急外来から離れられないようでは病棟急変に対応できないし、

救急患者もどんな人がくるのか分からないので結構怖いです。

 

だけど初めのころの私は、「経験がない」故に

あまり恐怖を感じていなかったように思います。

当直中も日中も、個人もしくは病院として対応困難な方は搬送させていただいてました。

 

そのような搬送の場合、搬送先から返事がくることも少なく、

どうなったのか分からないままになってしまうことが多かったです。

「対応できない」と思ったものが、搬送先でどのように「対応している」のか

教科書的な知識はあっても、具体的なイメージは沸いていませんでした。

 

 

次に行った病院は、3次救急の大きな病院でつねに救急車が

列を連ねているような野戦病院でした。

 

私は消化器内科で、けっこう急変も多い科なのですが、

オンコールはほぼ確実に呼ばれてました。。。涙

少なくとも電話は必ずかかってきた気がします。

他の病院で対応困難と判断された症例も送られてきました。

 

まだ若手でしたが、野戦病院でみんな常に忙しいこともあり、

孤独に今まで経験したことのない症例と戦っていました。

病院が大きいぶん科も充実しているため合併症の検索や治療など

今まで以上に勉強することが多く、要領もつかめなかった頃は

とにかくただ辛く、一時期少し心を病んでしまいました。

 

そのことについてはまたいつか。

なんとか踏ん張って今の自分がいますが、してよかった経験と思っています。

それを乗り越えてからは、結婚をして少し落ち着きたいと思い今に至ります。

 

今はその前にいた病院と同じような規模のところで働いています。

前の病院でいろいろな経験をしたので、以前より経験は増えているにもかかわらず

当直はとても怖いものになりました。

重症度の高い急患や急変が出くわさないかどうかは、運でしかなく、

自分で対応可能なものなのか、対応できなかったらどうしようか、常に考えています。

 

搬送された側を経験してみると、

 

きっと搬送したら〜〜やって、…で◯週間くらいの入院になるかな。

こわいのはこれとこれとこれ、うちではここまでの対応しかできないし、、

やっぱりうちで粘るより搬送して診てもらったほうが安全。

 

ということを考えた上でどうするか決めることができるなと思いました。

大抵は一瞬のうちに結論が出て、あとから理由を考えると上記思考回路だった、

ということが多いけど。

 

センスというものも多少関係すると思うので、最初からできる人、

どんな環境でもまっすぐ突き進める人も一定数います。

ただ、要領の悪い私は、この経験をしたことで、以前よりもしっかりと

「医師」という仕事が分かってきたと思います。

だから、要領のいい人からみると遠回りでしかないかもしれないけど、

私にとってはこれでよかったんだと思います。

 

だからもっともっと色んな人と出会って、経験を積み重ねていきたい。